【アシガール・森本梢子】子供の頃のように、夢中で漫画を読む気持ちを思い出させてくれる!

 

■小説版 アシガール

 

男性でも読める少女漫画

 

アシガール

 

 あの「研修医なな子」「ごくせん」「デカワンコ」「高台家の人々」と数々の

ヒット作を生み出した森本梢子先生の現在「ココハナ」で連載中の作品です。

 

元々集英社「YOU」の雑誌の漫画家さんですが、「YOU」が休刊になって

しまったので現在は「ココハナ」で執筆されています。

(「YOU」で高台家、「ココハナ」でアシガールを同時連載していた)

 

森本先生はコメディ漫画が有名ですが、ストーリーも非常に秀逸です。

実は森本先生は、九州の国立大学出身なんですね。(熊本市に在住)

とても頭が良い方なのです。

 

90年代に「わたしがママよ」という子育て漫画を描かれていたので、(おそらく

森本先生がモデル)当時先生はお子さんを育てていたんじゃないかと思います。

現在はお子さんはもう大きいはずですね。

 

しかし、驚くのは森本先生の漫画の今ドキ感です。きっと50歳以上と思われるの

ですが、絵柄がまったく古臭くない。かといって無理に若者風にしているわけでも

ない。キャラの服装や髪型がオシャレなのもあるかもしれません。

森本先生は絵柄が変わっていないようで、作品ごとに少しづつ変化が見られる

ように思います。「わたしがママよ」と「高台家」「アシガール」を見比べると

一目瞭然です。森本先生というのは、そこまで流行に乗りすぎていないようで、

でも実はちゃんと流行を意識し、取り入れるのが早いです。そして違和感がない。

また淡白な絵柄ですが、おそらくそこが人に嫌われない、いつの時代もついていける

要因の一つなのかなと思います。(あまり流行に乗りすぎた絵・作風だと消えてしまう

人が多い)

 

そして、森本先生がみんなから愛される要因のもう一つに、キャラ設定があると

思います。森本先生が描く主人公というのは、正直、そこまでかわいい女の子では

なく(かわいい子もいるのですが)、性格もどこか親近感がある。いわゆる普通の子

もしくはパッしない子。ただ性格はどの子も、前向きで、でも逃げ出すときは逃げ出

し、素直で、一生懸命。そして笑わせてくれる。読むほうもがんばれ!と応援したく

なるような子で、なにより読み続けて読者も背伸びしたり無理しなくていいのです。

 

アシガール」は実は集英社では「ときめきトゥナイト」以来の大ヒットだと私は

思っています。というか特にその世代が読むと、本当に昔の胸キュンした気持ちや

せつなさ、「早く続きを読みたい!!」と来月のりぼんを心待ちにする気持ちが

思い出されます。森本先生は「YOU」出身なので、大人向けコメディの作風です。

なので「ココハナ」にいるとどこか異色の存在感があるわけですが、この作品を読む

と「ああ、森本先生はやっぱり集英社の漫画家なんだな」と思わされました。

本当に集英社らしい、恋愛マンガというか、集英社らしい胸キュンやせつなさです。

やはり集英社恋愛漫画は突き抜けてすばらしいと思っています。みなさん、漫画

は漫画家が一人で作品を描いていると思いがちですが、そうではなく編集の助言や

指導はとても大きいです。森本先生はベテランなので、「自分はこう描く」という

信念は持っておられると思いますが、改めて集英社の少女漫画は面白いんだなと

思わされた作品です。

 

 

 

 

■あらすじ

主人公の唯は、遅刻・忘れ物・居眠りの常習犯で、恋愛にもオシャレにも関心が

ないぐうたらな女子高生。目標もなく過ごしていたある日、弟が作ったタイムマシ

ンで戦国の世へ。そこで出会ったのは乱世の世の、黒羽城の若君。

 

唯は足軽となり、男と誤解されたまま戦国で過ごすことに。

果たして、唯は元の時代に戻るのか?

それとも若君に恋をしてしまった唯は、このまま足軽として戦国の世で若君を

守り続けるのか?

 

 

見どころは唯ちゃんです。本当にかわいくて、応援したくなるのですよ。

唯ちゃんだから、戦国の世でこんなに頑張れるのでしょうね。唯ちゃんは

若君に会うため・若君を守るために足軽となり戦に出ます。あんなにやる気の

なかった唯ちゃんですが、戦国の世でどんどん成長していきます。とても

頑張り屋で、読んでいるとこちらも元気が出ます。そして、恋をした唯ちゃんは

内面も外見も女の子らしく変化していきます。

たまに「森本先生!そこは唯ちゃんをもっとかわいくお願いします!」

と思うこともしばしばあります(笑)でも、そのひょうきんな所が面白くて

かわいいのです。

 

 

 

そして若君!

もうたまらんほどかっこいいのですよ…。唯ちゃんがうらやましくなるくらい。

しかし戦国の世で若君と戦うなんて選択は他の女性にできないわけですから

やはり、若君には唯ちゃんしかいないのです。この二人がどうなるんだろう?

という所に胸キュンしてしまうのです。

 

 

 

そしてそして!

若君に弟が登場するのですが、この弟が仏頂面でまあ冷酷なのです。ただ

愛情を受けずに育ったさみしい人なのですね。この弟の恋のお話が中盤以降に

出てくる わけですが、個人的にこの彼の恋がまたもどかしくてたまらないのです。

相手はとってもかわいいお姫さまなんですが、彼はなかなか優しくできません。

そんな彼にお姫様は…。という展開で、私はもう何度も読み返してセリフを覚えて

しまったほどこの彼のお話が大好きです。

 

森本先生は連載終了のお話まで考えていたようですが、人気絶頂により

まだ連載は続くようです。これからの展開を楽しみにしていきたいですね。

 

 

www.kaorin0o0.com

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